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日本整形外科学会基礎学術集会 Best Poster Sessionに登壇致しました。

第35回日本整形外科学会基礎学術集会、Best Poster Sessionの演者として選出頂き、登壇させて頂きました。

我々AI研究部門の研究内容、第二弾の発表となります。


研究の概要は以下の通りとなります。


【題】

“いつの間にか骨折”AI(人工知能)で胸部単純X線写真から診断する陳旧性椎体骨折検出システムの開発研究  -多施設共同精度検証試験- 【共同研究者】 佐藤洋一、朝本学宗、家崎雄介、本田聖和、鈴木朋浩


【背景】 本邦において加齢に伴う骨粗鬆症を罹患している患者が1300万人に及ぶといわれている一方で、その殆どが治療介入が適切にできていない現状である。課題として、無症候性患者への適切な介入機会が乏しいことが挙げられる。これは医師、患者の主体性が求められることや、機会損失が主な原因と考えられる。椎体骨折は最も頻度の高い骨粗鬆症性骨折である。

ただその3分の2は無症候性で症状がなく、患者は骨折があることに気づかないとされている。既存椎体骨折は、骨密度とは独立した脆弱性骨折のリスクであるとされており、ガイドライン上では骨密度計測なしで骨粗鬆症と診断することが明記されている。これらの状況に対して、汎用性のあるスクリーニング手法が必要であると考えた。つまり、既存のワークフローに組み込みが可能で、一般的に撮影される画像検査を利用する形である。ここから、健康診断や入院時などに高頻度で撮影される胸部単純X線写真を用いて椎体骨折を診断し、骨粗鬆症スクリーニングに用いることはできないかと考えた。

胸部単純X線写真には椎体骨折の好発部位である胸椎〜腰椎までが撮影範囲に入る。そして本研究チームでも昨年、大腿骨近位部骨折に対する診断AIを開発し、高い精度が得られ、AI研究のノウハウを蓄積している。これらのことから、胸部単純X線写真から陳旧性椎体骨折を診断できるという仮設を立て、本研究を計画した。 【方法・対象】 対象は、2010年〜2020年に3施設を受診した、65歳以上で胸部単純X線写真を撮影した患者である。これらの患者は、何らかの理由で胸椎〜腰椎レベルを含むCTまたはMRIを撮影した患者である。ここからexclusion criteriaを設け、最終的に1340症例、5791枚の胸部X線写真を採用した。椎体高位についてはスライドの通り(一般的な頻度と同様)である。変形度については半定量的評価法でグレード2以上の変形を採用した。まずは蒲郡市民病院のデータセットに対して前処理を行い、訓練データ、検証データ、テストデータに分割した。訓練データと検証データから、骨折診断AIを開発し、内部データセットに対する精度検証を行った。その後、JCHOおよび津島から得られた画像に対しても前処理を行い、

外部データセットとして、これらの画像に対する精度検証を行った。 学習環境、モデルはスライドの通りである。(特許出願済みのため非公開)

そしてAIが判断した根拠、つまり椎体骨折部位を適切に診断できたか判断するため、ヒートマップを生成するアルゴリズムを組み入れた。 検討項目は内部データセットでの機械精度、ヒートマップの適正、外部データセットでの機械精度である。 【結果】 内部データセットでは精度92.1%、閾値を0.69としたときの感度95.8%、特異度93.0%であった。ROC曲線を描出した結果、AUCは0.983となった。 そしてAIが椎体骨折有りと判断した根拠を示すヒートマップをGrad-CAMで描出することに成功した。このヒートマップでは、椎体骨折のある部位を中心に赤、黄色、青の順でグラデーションが表示されている。 外部データでの精度検証を行った結果、内部データセットよりは劣るもののModerateの精度を獲得した。 【考察】 椎体骨折に対するディープラーニングを用いた診断AIは、先行研究は渉猟シエル限りで2文献であった。いずれも体幹部CT画像を用いたモデルであり、ERでのpan-CTなどでスクリーニングを行う場面を想定したものである。本研究では胸部単純X線写真のような、一般に撮影される頻度が高いモダリティで、高い診断精度が得られた。

本研究の実臨床化モデルを検討した。今まで未介入であった無症候性の骨粗鬆症患者に対して、既存の診療の流れを壊さない、新たな介入方法で、検診率、診断率の向上に寄与できると考えられる。これにより、従来未治療であった多くの骨粗鬆症患者に対して治療介入の機会を設けることができると考えられる。 【結論】 開発した,AIを用いた胸部単純X線写真に対する陳旧性椎体骨折の診断システムは,診断根拠を提供し得ると共に高い診断精度を有する画像診断ツールとなった.

更なる精度向上、汎用性獲得のために多施設から得られたデータで学習を重ねる必要がある。



この内容は、胸部X線写真から骨粗鬆症診断およびBMD予測ができるAIも開発が完了しており、特許申請済みです。

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